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苦楽園M邸

建 築 地 :兵庫県西宮市
主 用 途:住宅
構  造:木造
規  模:地上2F
竣 工 年 :2006年3月
受  賞 :AICAジョリパット施工例コンテスト優秀賞

敷地は西宮苦楽園の斜面地に造成された高級住宅団地。東に大阪が遠望できる景色の良い場所です。
約8Mの長さのキッチン・ユーティリティー作業台を住宅の中心として、ダイニング・水廻り・フリースペースである勉強室等を大きな吹抜空間で包み込んだ、おおらかな空間です。この8Mのキッチン・ユーティリティー作業台は、ホームパーティの際には料理や食材がたっぷりと並び、日常的には子供たちが椅子を持ち寄って勉強するなど、多目的に家族のための場所を提供します。
この場所は、活発な子供たちを見守る母親の立ち位置であり、吹抜を介して家の中の全ての気配が集中する場所でもあります。
1階は、キッチン→ユーティリティー→水廻り→ダイニングと回遊できるループと、キッチン→リビング→子供スペース→テラス→ピロティーという外部を含めて回遊できるループが重なり合っています。
2階においてもブリッジと屋上テラスを介してぐるりと一周でき、家全体に高い回遊性を生み出し、家の隅々にまで活発な人の動きの影響が行き渡るようにしています。
東方向の眺望に向かって開かせると同時に、陽の光を家の奥にまで行き渡らせるために、大きなブロックをずらしたような構成をとっており、家の内部・外部に様々な異なったシーンが展開します。
住宅の中には、いくつかの異なった時間単位が重層しています。日々の暮らしという一日ごとに毎日の必要に合わせて生活する住宅におけるパブリックな時間単位と、そこから離れたプライベートな生活時間。この住宅においては、外部とも直接に交流のあるパブリックな生活時間を形成する場所を、白く素材感の無い材料でまとめ、プライベートな生活時間を形成する場所を、黒く素材感のある材料でまとめています。
そしてまた、家族の長い記憶を形成するであろう30年、50年といった長い生活時間を形成するように、日々の生活時間を包容する大きな吹抜空間をもちます。これらの3つの異なる生活時間を重層させることで、日々の暮らしを活性化させると同時に、日々の変化に対する包容力をこの住宅が持ちえればと考えました。